温熱治療の効果とは?ガン治療やリハビリに用いられる理由

2019.03.01

温熱治療の効果

温熱治療は、体を温めることで病気を改善する効果のある方法で温熱療法とも呼ばれています。

歴史のある治療法で、医学の父とも言われている古代ギリシア紀元前460-370年のヒポクラテスより知られています。

1960年代になって科学技術が進歩すると同時に、有効な加温の方法が開発されはじめ、“がん”に対する温熱の効果が基礎研究によって明らかにされ始めたことでも有名です。

温熱治療の効果

温熱治療は、生体内にエネルギー注入して熱源とし生体治療を行う方法です。

科学的治療法であるハイパーサーミアと東洋医学による代替医療の温熱療法があるので、混同されることもあります。

温熱治療がなぜ“ガン”に効果があるのかを説明すると、ヒトの細胞は、43℃以上に達すると急激に細胞が死んでしまいます。

温熱治療では、この原理を利用することでガン細胞だけの温度を上昇させてガンを死滅する為に考案された治療方法です。

もともと温熱治療は、腫瘍の部分を42℃から43℃に温めることで、腫瘍を根治・縮小したり、それ以上大きくならないように抑えたりすることを目的として研究・開発された治療法で、がんに対する放射線の効果(放射線感受性)が高まると共に、サポートする方法として研究されてきました。

最近では、ガン以外にも、温熱治療が免疫力を高めたり、痛みや筋肉の緊張を取り除いたり、患者さんの心身状態をよく保つのにも役立つことが分かり、様々な施設や医療機器で温熱治療が採用されています。

温熱治療のリハビリ面での効果

もともとガンの腫瘍の部分を、それ以上大きくならないように抑えたりすることを目的として研究・開発された温熱治療ですが、現在ではリハビリなどにも使われています。

リハビリ面での主な効果は、

  • 血管拡張作用
  • 筋緊張の緩和
  • 代謝亢進
  • 細胞破壊作用
  • リラックス作用

このような効果が期待できます。

血管拡張作用

血管拡張作用とは、全身の血管を拡張し、血圧を下げ、心臓への負担を軽くする作用のこと。

老廃物・炎症・痛み物質の除去から全身の血流改善に効果があります。

筋緊張の緩和

筋緊張の緩和とは、神経生理学的に神経支配されている筋に、持続的に生じている筋の一定の緊張状態を緩和させることを言います。

腰痛や肩こり、筋肉のコリをほぐす効果などが期待できます。

代謝亢進

代謝亢進とは、物質を他の物質に変換する活性が高くなっている状態のことを表します。

リンパや血液の流れを良くし、細胞活動を活性化する効果があります。

また、糖や脂質代謝が促進されるので動作パフォーマンスを向上させる効果も期待できます。

細菌破壊作用

温熱治療により、低温でしか生息することのできない細菌への破壊作用。

殺菌作用などの効果が期待できます。

リラックス作用

上記作用・症状緩和による心身へのリラックス作用が期待できます。

温熱治療の理論

温熱治療が効果的とされる根拠には次のようなものがあります。

  • 経絡を良くする
  • 血管系に対しての効果
  • 免疫システムを活性化

経絡を良くする

経絡とは気の流れのこと。

経路にはツボが存在し、そのツボを中心に気の流れが滞ると病気を発症してしまいます。

温熱療法の熱刺激によって気の流れをスムーズにします。

血管系に対しての効果

温熱療法の熱刺激は、動脈も静脈も拡張させる効果があります。

血管系を拡張することで、血流が増加し循環がよくなることから、循環の悪い状態の瘀血(おけつ)を改善されることができます。

免疫システムを活性化

温熱刺激は、免疫システムのスイッチを入れると考えられています。

炎症は、生体内や生体外からのあらゆる刺激に対する生体反応なのですが、その反応の主体は免疫システムの発動であるとされ、温熱療法の熱刺激によって免疫力向上が期待できるのです。

温熱治療のメリット

温熱治療(高周波ハイパーサーミア)は、直接がん細胞を壊死させたり、リハビリで様々な効果があったりと利点は高いのですがそれだけではありません。

免疫の活性化

温熱治療の高周波を組織に加え、39℃~41℃程になると免疫が活性化することが明らかになっています。

NK細胞、インターフェロン-γ、マクロファージなどが著明に活性化されます。

生活の質が高まる

ガン治療で用いられる化学療法は、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などから血圧の低下や不整脈、呼吸困難などといった様々な副作用が現れます。

温熱治療では、このような副作用はほとんどありません。

むしろ、温熱治療を行うことで、食欲の増進、体力の回復効果、疼痛の緩和などが期待でき、生活の質を高めることが期待できます。

その他治療との併用効果も期待できる

温熱治療を取り入れることで、ガン組織への抗がん剤などの効果を高めたり、放射線効果をさらに高めたりと、その他治療と併用し、それらの効果を高めることが期待できます。